時は矢の如し 武術稽古は時を移さず
- youngzentao

- 2024年12月29日
- 読了時間: 3分
還暦に近づきましたが、普段私が武術指導というハードな力仕事に軽やかに楽しく取り組めているのは、長年の道伝太極拳の習練によって若々しくエネルギッシュな状態が維持されているおかげです。
武術の稽古は、喜び楽しむ心と正気(邪気の対義語)を持ち、自信に溢れ明るく積極的でいることが必要です。これは心から湧き上がるプラス思考のエネルギーで、道伝太極武術の精氣神でもあり、武術を学ぶ者が専念し、稽古の質を高め、死の陰の谷にいた過去の自分から遠のくことに役立ちます。

養真師弟における伝芸
武術を教えているたびに色々と質問されます。「先生!練習や稽古に通う暇がありません」「先生!色んな雑務で滞ってしまいました」「先生、やっぱり定年退職してから稽古に通うことにします」「先生、まだ稽古への心の準備が整ってません。私もできるのでしょうか?」「先生、お稽古って疲れませんか?」
もちろん、体調を崩し病気を抱えながら健康改善のために稽古に通われる方や、ご高齢で手足を動かすことで体力向上を図りたい方、虚弱体質から抜け出すため、事故で重傷を負いリハビリのためなど…様々な生徒さんがいらっしゃいます。

養真師弟における伝芸
道家武術の伝授はご縁を重視しており、養真師伝の祖訓である「ご縁ある方を手助けする」の「縁」とは師徒縁(師と弟子の縁)、師生縁(先生と生徒の縁)のことです。お互いの命は限られており、5年、10年、15年先のことなど誰にも分かりません。チャンスは一瞬で消え失せます。一方で、チャンス到来の勢いは止めることもできませんが、ご縁が足りずどんな言い訳も円満とは程遠い場合は、ただ風に身を任せましょう!かつて師匠による武芸伝授は、己の命を弟子に捧げるようなものでした。独特で大事な武芸を教え導くことの重みと尊さを、教わる側の弟子も心得ているでしょうか?
養真で伝授している武芸は宝であり、信念です。尊敬する師匠の教訓では「生きとし生けるものに利益をもたらし、次世代に健康を広め、より多くのご縁ある方に加わっていただき、武術の稽古により収穫を得られるようにせよ」とあります。

養真師弟における伝芸
近年、生徒さんが年齢を重ねていくにつれて運動量を減らしたり、食事や睡眠管理に慎みがなく、体型が崩れ筋肉と骨が強張り、筋力不足となってしまう方も一部いらっしゃいます。その結果、体の協調性やコントロール、バランス感覚に欠けてしまい、様々な不調をもたらしてしまいます。気と血のバランスが崩れ落ち、活気が失われ免疫力が低下し、あるべき精神氣も失われます。これは非常に不適切なことです。武術を習練する者は自立を目指し、自ら養生に取り組むべきです。任意に自分を甘やかさず、長年にわたって学んだことも忘れずに、学んだ功法を活用して失った健康を取り戻すのです。自己トレーニングに再度挑み、練功にて苦労をいとわぬ志を持たなければなりません。大いなる苦労を耐え抜き、リハビリに勤しんで気力を復活させるのです。「歳月人を待たず」、後悔のないよう武術の稽古は時を移さず、今を大切にしましょう。








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